九州大学 エネルギー研究教育機構

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研究成果

【プレスリリース】⾼性能電解質材料におけるプロトン導⼊反応の活性サイトを世界初解明

2023/03/19

九州⼤学エネルギー研究教育機構(Q-PIT)および⼤学院⼯学府材料物性⼯学専攻の星野健太博⼠(研究当時)、兵頭潤次特任助教、⼭本健太郎特任助教(研究当時)、⼭崎仁丈教授の研究グループと⼭形⼤学学術研究院の笠松秀輔准教授は、九州シンクロトロン光研究センターの瀬⼾⼭寛之博⼠およびあいちシンクロトロン光センターの岡島敏浩副所⻑らと共同で、400℃動作固体酸化物形燃料電池(SOFC) の電解質として期待されているプロトン(H+)伝導性酸化物において、プロトン導⼊反応が起きる局所構造(活性サイト)を明らかにしました。

研究成果

本研究には、ペロブスカイト酸化物の中でも既報の中で最⾼レベルのプロトン伝導性と化学的安定性を兼ね備えたSc 置換ジルコン酸バリウムに着⽬し、放射光を⽤いたその場 ⽔和実験、スーパーコンピュータと機械学習を活⽤した⼤規模シミュレーションおよび精密熱重量分析を組み合わせることにより、⽔和反応を活性化する材料中の局所構造を多⾓的に調査しました。その結果、スカンジウム(Sc)とジルコニウム(Zr)および⼆つのSc に挟まれた酸素⽋損⽋陥が⽔和反応の局所活性サイトであることを特定し、その温度依存性を明らかにすることに成功しました。

プレスリリース本文は九州大学HPよりご覧いただけます。

論文情報

掲載誌:Chemistry of Materials, 35, 6, 2289–2301, 2023
タイトル:Probing Local Environments of Oxygen Vacancies Responsible for Hydration in Scdoped Barium Zirconates at Elevated Temperatures: In Situ X-ray Absorption Spectroscopy, Thermogravimetry, and Active Learning Ab Initio Replica Exchange Monte Carlo Simulations
著者名:Kenta Hoshino, Shusuke Kasamatsu, Junji Hyodo, Kentaro Yamamoto, Hiroyuki Setoyama, Toshihiro Okajima, and Yoshihiro Yamazaki*
DOI:10.1021/acs.chemmater.2c02116

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