九州大学 エネルギー研究教育機構

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宮本淳弌水素研究奨励賞

本奨学金は、故 宮本淳弌氏の遺志により、九州大学の水素研究の発展に寄与することを目的とし、水素研究に関する研究能力が特に優れ、本学の博士課程在学者で研究成果が期待できる者に対して授業料を支援し、学業及び研究に専念させることにより、本学大学院における研究活動の活性化を図るものである。

公募(令和6年4月分)開始しました!

◇令和6年4月分申請書類

 

◇申請手続き

2023年度受賞者

【ドクター部門】

山本 敦巳

所属 工学府化学工学専攻

氏名 山本 敦巳
研究タイトル PEFC 触媒層内の輸送・反応モデルを用いた触媒層および担体構造が発電性能に与える影響の解析
研究概要 近年、固体高分子形燃料電池(PEFC)の更なる高性能化/低コスト化に向けて、中空カーボン担体に対する研究が盛んになってきている。しかし、カーボン担体構造のどの因子が性能への寄与率が高いのか、耐久性に影響を及ぼすかは未だ未解明である。
そこで、触媒層内の物質輸送のモデリングを触媒層スケール~担体スケールにまで拡張することで担体内部構造の発電性能への影響を明確化、劣化メカニズムを調査することで初期性能/耐久性能を向上させるための触媒層および担体構造の設計指針の提示を行う。
深谷 徳宏

所属 工学府水素エネルギーシステム専攻

氏名 深谷 徳宏
研究タイトル モデルベースアプローチによる高耐久電解質膜の開発
研究概要 固体高分子形燃料電池の商用用途への展開に向け、製品に求められる高性能・高耐久な材料を、モデルを用いて効率よく開発する手法を提案する。また、この手法を高ガスバリア電解質膜(HGBM)に適用し実証する。まず、HGBMの耐久性とガスバリア性との関係を明らかにし、HGBMの耐久性を予測可能なモデルを構築する。次に、そのモデルを用いて製品に求められるHGBMの目標特性を設定する。最後に、設定した目標値を達成可能なHGBMを作製する。
Zulfi Al Rasyid Gautama

所属 工学府水素エネルギーシステム専攻

氏名 Zulfi Al Rasyid Gautama
研究タイトル PEFC用高分子電解質のガス輸送に関する研究
研究概要 固体高分子形燃料電池(PEFC)は、乗用車での実用化が実現しているが、商用車両への応用には、さらなる性能と耐久性の向上が求められている。PEFCの性能と耐久性に影響を与える要因の一つとして、高分子電解質の気体透過性であり、発電効率や電解質の耐久性に大きな影響を与える。電解質膜は、より長い耐久性を得るために高いガスバリア性が要求され、イオノマーはより高い性能を得るために高いガス透過性が要求される。本研究では、多様な炭化水素系高分子を活用し、高分子電解質のガス透過性を制御し、性能と耐久性の向上を目指す。

【マスター部門】

中村 省吾

所属 工学府水素エネルギーシステム専攻

氏名 中村 省吾
研究タイトル 金属酸化物による電解質膜の化学劣化抑制効果を用いた燃料電池の高耐久化
研究概要 固体高分子形燃料電池(PEFC)は、特に燃料電池自動車などの運輸分野での応用が進んでおり、今後はトラックやバス等の大型・商用モビリティへの適用が期待されている。これには、乗用車以上の出力・航続距離が要求され、PEFCの高出力化・高耐久化が必要である。本研究では、これまでの研究で得られた金属酸化物による電解質膜の化学劣化抑制機構を解明し、燃料電池セルの化学的耐久性の最大化を目指す。その後、化学劣化抑制効果の最適化により、必要十分な耐久性を有する燃料電池セルの設計指針の確立を目指す。

2022年度受賞者

酒井 彦那

所属 総合理工学府総合理工学専攻(プラズマ・量子理工学メジャー)

氏名 酒井 彦那
研究タイトル 計測機開発を通じた水素同位体プラズマにおける乱流駆動輸送物理の解明
研究概要 乱流計測機開発を通じて水素同位体プラズマにおける2つの物理現象に着目し、プラズマの閉じ込めに対する包括的な理解を目指す。1つ目は、輸送の改善が報告されているITB(内部輸送障壁)内部における乱流の振る舞いとその輸送への寄与を、実験及びシミュレーションを通じて明らかにするとともに、輸送の同位体効果について議論する。二つ目は、核融合炉で発生するα粒子を模擬した高速イオンにより励起される巨視的揺動と乱流の間の相互作用と輸送の変化について追及する。

イ セツショウ

所属 工学府機械工学専攻

氏名 韋 雪淞
研究タイトル 沸騰と水電解のアナロジーに基づく水電解性能の飛躍的な向上
研究概要 風力・太陽光発電が再生可能エネルギーとしての大量導入が急務だが、需要と供給に時空間的なズレが生じることで、余剰電力を水素に変換して貯蔵する水電解技術の高性能化が重要である。そこで我々は沸騰と水電解のアナロジーを基づき、沸騰超高熱流束冷却に成功したハニカム多孔体を用い、水電解電極面の気液流れを制御することでその性能を大幅に向上させた。また自己組織化現象により微細構造が制御されるハニカム多孔電極の作成技術を開発し、電解性能向上メカニズムをミクロスケールで解明を行い、理論モデルの構築を検討する。

所属 工学府水素エネルギーシステム専攻

氏名 植村 崇博
研究タイトル 水素関連設備用高圧管曲げ加工の疲労強度決定メカニズムの解明
研究概要 水素ステーションでは、鋼管の接続に使用されている数百個のコーン&スレッド継手が建設コストを上昇させ、定期的な緩み防止確認作業がメンテナンスコストを押し上げている。このような状況の中、曲げ配管の使用に期待が集まっている。高圧ガス設備用曲げ配管については、国内基準などによって限界曲げ半径が定められているものの、その決定根拠は明確ではない。本研究では、曲げ配管に生じる残留応力や加工硬化、肉厚変化が疲労強度に及ぼす影響を実験と解析の両面で明らかにし、規制・基準の合理的見直しに資する知見を得る。

2021年度受賞者

安武 昌浩

所属 工学府水素エネルギーシステム専攻(令和5年8月31日早期修了)

氏名 安武 昌浩
研究タイトル 低触媒担持・高電流密度作動を可能とする固体高分子形水電解用の一体型アノードの開発
研究概要 水電解によるグリーン水素製造は脱炭素社会への鍵となるが、課題に設備投資費と電力由来の製造コストがある。固体高分子形(PEM)水電解は電解技術中でも高電流密度作動が可能であり、これにより電極面積を削減し、設備投資の削減できる。また酸素発生側の電極(アノード)の反応が律速であり、高価な貴金属触媒が大量に使用される課題がある。本研究では、設備投資費の削減に向けてPEM水電解の高電流密度化と低貴金属化を目的とし、触媒の高活性化と高電流密度作動時の物質輸送の課題を同時に解決できるアノードを開発する。
活動報告等

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