九州大学 エネルギー研究教育機構

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研究成果

【プレスリリース】日韓の消費者による燃料電池車・電気自動車の評価を調査

2022/12/01

2050年カーボンニュートラル社会達成に向けて、2035年までの100%電動車化戦略を進める国が増えています。日本は電気自動車、燃料電池車ともに開発・発売で各国に先行しましたが、現在では各国の後塵を拝している状況にあります。燃料電池車の販売台数世界一となった韓国と、低迷する日本を比較し、日本や各国での普及に向けた方策を消費者意識の観点から解明する必要があります。
 九州大学エネルギー研究教育機構の吉田謙太郎教授とソウル大学Deok-Joo Lee教授、大学院生Jihyeok Jung氏は共同で、日韓における消費者調査に基づく評価研究を実施しました。

研究成果

日本と韓国では次世代車への消費者意識が乖離し、韓国の消費者は燃料電池車と従来型自動車の価格差への反応が低い傾向が明らかになりました。比較的高価なSUVが好まれる韓国と軽自動車も多い日本とでは、燃料電池車価格の値頃感に対する意識に差異が生じる可能性が示唆されました。

政策シナリオ別シミュレーションでは、購入価格補助よりも水素燃料代無償化が最も販売シェアを高めることが日韓ともに確認されました。CO2排出量を削減するための費用対効果は、韓国では購入補助金、日本では購入補助金と燃料代無償化のハイブリッド方式が高くなりました。日韓市場と消費者意識に基づく、未来の水素社会からバックキャストした技術開発とマーケティングの可能性を示す事例であり、今後の日本車市場の展開方向性を予測するために役立つことが期待されます

プレスリリース本文は九州大学HPよりご覧いただけます。

論文情報

掲載誌:Transportation Research Part D: Transport and Environment
タイトル:Comparison between Korean and Japanese consumersʼ preferences for fuel cell electric vehicles
著者名:Jihyeok Jung, Deok-Joo Lee, Kentaro Yoshida
DOI:10.1016/j.trd.2022.103511

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