脱炭素エネルギー先導人材育成フェローシップ 2022年度
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脱炭素エネルギー先導人材育成実施責任者 ご挨拶フェローシップSASAKIKazunari1日本を含む多くの国々が2050年までのカーボンニュートラルの実現を目指しています。気候危機が人類全体の共通課題になり、CO2というゴミが出せない時代になってきました。この課題は要素技術だけで解決できません。脱炭素に資するエネルギーシステム技術だけでなく、次世代材料やデバイス、さらに関連する基礎科学が、次の技術開発の芽になります。また、脱炭素やカーボンニュートラル達成には、都市・地域・社会全体を考えて、それらを変えていく必要があり、人文社会学的な取り組みが欠かせません。つまり博士研究を各自がそれぞれ進めながらも、その殻に決して閉じこもらず、他の分野の方々と常にオープンに議論していくことによって、自らの研究の社会における位置づけを明確化し、分野の壁を越えてこの社会変革を一緒に考えていく場が必要です。それが、「脱炭素エネルギー先導人材育成フェローシップ」 “Q-ENERGY” です。お互いに議論する場、そして腰を据えた博士研究を進めるための経済的な支援を用意しています。同じ思いを持つ同世代の多くの仲間と出会える場にもなっています。九州大学は、アジアで初めて産業革命が起こった地に、1911年に創立された大学です。100年以上の歴史の中で、エネルギー分野の研究教育に取り組んできた研究室が多くあります。世界最先端のエネルギー研究施設群がキャンパスに整備されています。また九州は、多様な再生可能エネルギーが社会に実装されている地域でもあります。太陽光発電、風力発電、地熱発電、バイオエネルギー発電が盛んで、九州は再生可能エネルギーの百貨店とも言えます。原子力分野の研究教育も着実に進められてきました。カーボンニュートラルのエネルギーが豊富なことは、地域の国際競争力にもつながっています。このような地において、多様な学府のエネルギー関連講義も受けながら、最先端の脱炭素エネルギー研究に集中的に取り組める研究環境が整っています。多様な分野の先生方や同世代の学生さんからアドバイスを受けられる合同ゼミを定期的に開催しています。国際共同や産学連携、地域連携の研究活動への参画をサポートし、産業界向けの成果報告会も毎年開催しています。これらの多くの学びを踏まえて、カーボンニュートラル実現の牽引役を果たせる博士になっていただきたいと考えています。近年、我が国においても科学技術・イノベーションの重要性が認識されるようになってきました。科学技術が各国の競争力や経済成長に直結する時代になり、社会全体で不可能を可能にするイノベーションが欠かせなくなってきました。博士研究という一つの課題に集中的に取り組むことで社会の本質を理解した者だけが、答えがない時代のカーボンニュートラル実現のように、道がないところに道を切り拓いていけます。博士号は世界共通の最高位の学位です。2050年の主役は今の大学院生の世代です。このフェローシップは2050年に世界や社会をリードする方々のための、大学院生が主役のプログラムです。多くの方々のご参画を期待しています。九州大学 副学長2050年カーボンニュートラル実現をけん引する皆さんへ佐々木 一成

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